恋した責任、取ってください。
 
分かっている、ダンクシュートもどきも、高い高いも、会場全体の空気を和ませるために大地さんが一芝居打ったんだって、頭ではちゃんと分かっているし、しっかり理解もしている。

でも、親子って……。

確かに家族みたいに思ってもらえたら幸せだとは思ったけれど、ますます何の対象にもなっていないことが裏付けされたみたいで、さすがに地味にヘコんでしまったことは否めない。


それでも、ようやく床に下ろしてもらい、改めてバスケ教室が再開されると、私は体育館の隅っこに移動し、教室の様子を眺めたり、ホームページに載せる写真を撮ったり、親御さん方に挨拶をしに行ったりと、私は自分に出来る範囲で全力でサポート業務に従事した。

途中、スマホがメールの受信を知らせたので、体育館を出て廊下で開いてみると、恵麻さんのスマホから御手洗コーチが『順調ですか?』とお気遣いのメールを寄越してくれていて。

『大地さんのおかげで、とっても和気あいあいとした雰囲気で教室は進んでいます。こちらのことは心配しないで、恵麻さんはお腹の赤ちゃんのことだけ考えてくださいね』と送信し、再び体育館に戻って教室のサポートに勤しんだ。





そんなわけで、特にトラブルもなく教室は進んでいき、大地さんが初めに宣言した通り、子供たちはみんな、私が恥を忍んでデモンストレーションしたような“ダンクシュートもどき”をできるようになって、今年のバスケ教室は午後3時半をもって大盛り上がりのうちに終了した。

最後にレクリエーション目的で行われたゲームは、今日はコーチに徹してくれた現役選手チームが大人げなく本気を出して勝利し、15人の子供たちは少しだけ悔しそうな顔をしていたり、息を弾ませながら「強すぎだよ〜」「束になっても適わないね〜」などと感想を言い合っていたり、めいめいに試合を楽しんだ様子で。
 
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