恋した責任、取ってください。
「あ、そうだ」
「はい?」
「バスケ教室の打ち上げ、ウズラももちろん行くだろ? ほら、春先にウズラの歓迎会で行った、あそこの南国風居酒屋なんだけど」
ポイントガードって敵味方関係なくコート上にいる全員の位置や動きを瞬時に把握したり予測を立てたりしなきゃならないから神経使うだろうなぁ、なんて思っていると、思い出したようにポンと手を打ったザキさんにそう誘われた。
打ち上げか……。
もんちゃんは今、弥生と一緒に実家に帰省中だし、多少帰りが遅くなっても構わない。
明日からちょうどお盆休みにも入るし、部屋で1人でいると余計に色々考えちゃって気持ちが沈みがちになっちゃうし、うん。
「行きたいです!打ち上げ!」
気分転換も兼ねてザキさんの誘いを快諾した。
それに、打ち上げの席にはきっと佐藤さんだって来るだろうし、帰り道にでも、正直に今の自分の気持ちを話して分かってもらおう。
「そう言うだろうと思って、もう6人で予約取ってんだよねー。ウズラもなかなか俺たちのノリについて来られるようになったじゃん」
「もう4ヵ月ですからね。慣れますよ」
「あ。今の、ウズラのくせになんか生意気」
「あはは、すみません」
ザキさんの軽口を受け流すのも、なんとなく板に付いてきたような気がする。
並んで床にモップを掛けながら笑って言うとザキさんの眉間に若干シワが寄ったけれど、それが本心から不機嫌になっているのではないことくらい、私にだってお見通しだ。
「何時からです?」
「19時半から。遅れんなよ?」
「ふふ、了解です。楽しみにしてます」
そうして私は、おそらくシーズン開幕前最後になるであろう“打ち上げ”という名目のただの飲み会にひっそりと胸を踊らせたのだった。