恋した責任、取ってください。
現に、第1クォーターと第2クォーターの間にある2分間のインターバル中、私と同じでバスケは体育の授業でしかしたことのない弥生にも、「あたしの気のせいかもしれないけど、ブルスタの動き、全体的にちょっと固くない……?」と不安げな顔で尋ねられ、私は、頷くでも首を振るでもなく、曖昧に首をかしげることしかできなかった。
ベンチサイドでは御手洗コーチが必死にみんなに声をかけている。
それを聞く高浜さんたちが真剣な表情で何度も頷く。
第1クォーターは【28―19】と9点ビハインドで終わっているので、第4クォーターまである試合の中の早い段階で点差を詰め、逆転して連敗を阻止しなければいけない展開だ。
ちなみに昨日は、前半こそブルスタがリードしていたけれど、後半からじわじわと点差を詰められ、試合終了30秒前にパスミスからの速攻で追いつかれる展開になり、ロスタイム中に逆転されてしまった。
もしかしたら、その嫌な流れの後味が、今日のこの点差につながっているのかもしれない。
インターバル終了のブザーが鳴り、両チームの選手たちがコートに散っていく。
バスケットは、10点差なんてあっという間に覆せるスポーツだ。
それは、今コートに立っているみんなこそ、よくわかっていることなんだと思う。
だから、大地さんが……大地さんさえ浮上してくれば、きっと何も問題はないはずなんだ。
でも、第2クォーターの中盤――。
「キャッ……!」
高浜さんからのパスを取り切れずボールを弾いてしまった大地さんの脇をすり抜け、コート外に出てしまいそうなそれに必死で食らいついていった佐藤さんが、コートサイドに並んだパイプ椅子に派手に突っ込み、けたたましい音とともに短い悲鳴が方々から飛んだ。