恋した責任、取ってください。
……なんて救いのない運命なんだろう。
大地さんのせいなんかじゃありませんと喉元まで出かかって、でもそれはあまりに薄っぺらくて、声にせずに飲み込むしかなかった。
大地さんは続ける。
「手術中のランプが消えて、ストレッチャーで運ばれていく葛城を見送って。それから、ホーネットの人たちに混じって足の具合を聞いて。さっきも言ったけど、選手生命も危うくなるくらいの大けがだったから、また俺のせいだって自分を責めて。……それっきりだよ。葛城に合わせる顔がないまま3年経って、今になる」
「……あの、葛城さんとその女性は、今どうなって……?」
「そこが葛城のすごいところだよ。結婚して子供も生まれたって人づてに聞いた。でも、俺が奪った葛城の3年はもう取り返しがつかないから。今もまだ、葛城に向き合うのは怖くて怖くてしかたがない」
「そうですよね……怖いですよね……」
「うん、怖い」
自分のせいだと責め続けながら現役を貫いてきた大地さんの3年は、いったいどういうものだったんだろう。
葛城さんの復帰の一報が届いてから対戦するまでも、この2日、実際に葛城さんと対戦してからも、大地さんはどんな気持ちでいたんだろう。
いくつも重なったそれぞれの想いと、それと同じくらいの後悔の数と。
大地さんはどうやってこんなに重いものをひとりで抱え続けていたんだろうと思えば思うだけ、ただただ胸の中にいるこの人のことを心の芯まで抱きしめて、温めてあげたいという思いが募る。
葛城さんを裏切ってしまった負い目、引け目。
選手として一番いい時期の3年を奪ってしまったことに対する罪悪感、贖罪。
きっと、そんな中でコートに立ち続けることほど酷なことはなくて、でもそれは、大地さんにしかできないことで。
「……なっちゃん、俺、どうしたらいいんだろうね」
「っ……、……」