恋した責任、取ってください。
 
「……大地さん、少し休憩していきませんか?」


児童公園の入り口に着いたところで足を止めて、思いきって誘ってみる。

街灯の光と道路を挟んだ向かい側に立つ自動販売機の明かりに照らされて大地さんの横顔に濃い陰影ができ、それが少し驚いたようにこちらを向いた。


「その、まだお時間が大丈夫だったら、なんですけど」

「俺は明日はオフだから全然いいけど、なっちゃんは普通に仕事でしょ? ……いいの? いや、いいの?って聞き方もなんか変なんだけど、でも……」


ちらりと公園のほうに視線を投げて、大地さんが言い淀む。

明日のことを気遣っているというよりは公園に入ること自体に戸惑っているような口調は、きっと大地さんもここでの出来事が――つまり私を振ったことが頭をよぎったからだと思う。

本当は公園の前を通るのだって複雑な気持ちだろうし、ましてそんなところへ誘われるとも思っていなかったんじゃないだろうか。

お互いに黙ってここを通り過ぎるのが、この場合のベスト。

マンションまでだって、もうそんなに距離はないんだから。


「……あの、大地さんがもう少し、誰かにそばにいてもらいたい気分なんじゃないかと思って……」

「え?」

「いえ、私がそうしたいだけなんです。……ダメ、ですか?」


でも、このまま見て見ぬふりをしながら通り過ぎてしまったら、前と少しも変わらない。

私だから打ち明けてくれたという大地さんの言葉の先にある意味と、私たちの間に空いている、ただの同僚や仕事仲間にしては近く、でもほどほどに遠い曖昧な距離の意味と。


「なっちゃん……」


もっと知りたいと望むなら、またここから始めるしかない。
 
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