恋した責任、取ってください。
すると大地さんが吹き出すと同時に破顔した。
ケタケタと笑う声がいつまでも止まず、響く声が紅葉を終えて寂しくなりはじめた公園の木々の間を楽しそうにすり抜けていく。
大地さんの体で取ってほしい責任は、一も二もなく、ブルスタと自分のために復活してもらうことだった。
「それは、俺のカラダで取れ、ってこと?」なんて聞かれたからとっさに頷いて、その後、数瞬してエッチしてくださいって意味に取られたらどうしようとハラハラしたけど、大地さんの楽しそうな笑顔が久しぶりに見れたから、きっと私が言いたかったことは伝わったんじゃないかと思う。
「笑いすぎですよ、もう……」
「いやだって、大胆すぎでしょ。言いたいことはわかったけど、そういうの、誰彼構わず言っちゃダメだよ」
「そんな節操がない人みたいな言い方しないでくださいよ。不愉快です」
「ぶっ」
たった今、好きだと言ったばかりなのに、まるで自分がその対象になっていることをわかっていて、あえてはぐらかしているような言い方に少しムッとなり、唇を尖らせてボソボソ言う。
するとまた大地さんが吹き出して笑って、また私は「不愉快です」と繰り返す。
いつか大地さんは、私のことを〝こんなに軽いと、いつかどっかに飛んでいきそう〟なんて言って、さっきの九兵衛でも似たようなことを口にした。
でもやっぱり、私からすれば大地さんのほうがよっぽどふわふわしていて掴みどころがなく、こんなに近くにいるのに、ちっとも捕まえられる気がしてこない。
悔し紛れにお茶を含む。
ペットボトルから伝わる熱と同じで徐々に温かさを失いつつあるお茶は、ぬるいせいか少し苦くて舌が痺れるような感じがした。
「まあ、なっちゃんの気持ちは受け止めたよ。今まで向き合いもせず、逃げてばかりでごめん」
舌に広がる苦みにわずかに眉間にしわを寄せると、どうやらたくさん笑ったおかげで落ち着いたらしい大地さんが居住まいを正して小さく頭を下げた。