恋した責任、取ってください。
こんなにも熱くなってくれる人たちが、ここにたくさんいて。
きっと、全国各地に散らばるそれぞれのチームにも、そのチームを心から応援してくれている人たちがたくさんいて。
学生時代にバスケをしていた人が子供を持つ歳になって、地元のチームや好きな選手を応援しに子供の手を引いてやってきてくれて。
そうやってバスケを愛する多くの人が次の世代へバトンを渡していったから〝今〟があるんだなと自分の目や肌で直接感じられたことは、間違いなくこれからの私の大きな指針になると思う。
「大地、あの9番の人にずっとマッチアップしてるね。なんか、ふたりともすっごい楽しそう」
「悠斗くんもそう見える?」
「うん。あんなに楽しそうにバスケしてる人、初めて見たかも」
「そっか。うん、そうだね」
試合の流れに目を凝らしながら呟くように言う悠斗くんの頭を、そっと撫でる。
少し顔を覗き込んでみると、瞬きをするのも惜しいくらいにコートを駆け回る10人の選手たちを見つめていて、その目はまるでキラキラと輝く宝石のようだった。
「ほんと格好いいなぁ。頑張ったら僕もあんなふうになれるかな」
「うん、きっとね。そうだ、今のうちにみんなのプレーを盗んでおくといいよ。絶対に役に立つはずだから」
「そうだね、そうする。そしたらさ、僕、大きくなったらブルスタに入るよ。なっちゃんも寿退社とかしないで待ってて。大地よりすごい選手になるから」
「あはは、うん。待ってるね」
悠斗くんったら、寿退社なんて言葉、いったいどこで覚えたんだろうか。
ああもう、あんまり可愛くて泣けてきてしまう。
知っていると思うけど、私、だいぶ涙もろいんだから、これ以上可愛いことを言われると涙腺がもたないよ……。