恋した責任、取ってください。
どうにか絞り出した苦肉の策は、これ。
「うん、いいよー」とのんびりした口調で了承してくれた大地さんにペコペコと頭を下げつつ体育館を出て、通路の脇で弥生にメールを打つ。
送信し終わってから、ご飯の話は今日なのか、それとも別の日なのかと疑問に思ったけど、送信履歴を見ると、弥生に送ったメールにはしっかり『急だけど今日職場の人とご飯食べてきてもいいかな?』という一文が打ってあり、行く気満々だな……と自分に少々呆れてしまった。
スマホをジャージのポケットにしまおうとしていると早々に弥生から返信があり、縋る思いで本文を見てみると『今日は何も予定ないから大丈夫だよ』と書いてあって心底ほっとする。
そのメールにすぐに『もんちゃんのご飯と散歩よろしくね』と送れば、30秒としないうちになぜか『任せろー』と自信満々に返ってきて、調子がいいんだからと苦笑が漏れた。
まったく弥生は。
誰が毎日世話をしていると思ってるんだろう。
それでも今日は弥生に感謝だ。
スマホを胸に抱くようにして急いで戻る。
「大地さん、大丈夫でした!」
「おー、それは良かった」
嬉しそうに笑う大地さんに笑い返すと途端に胸が弾んで、それどころかフワフワと気持ちが浮ついてしまって、もうどうしようもない。
だって大地さんと食事だ。
果たして自分の容姿が大地さんの連れとして迷惑にならない程度のものなのかは謎なものの、誘われた意味も分からないけど断る理由もない。
次第に体育館に集まりはじめた佐藤さんら選手たちに「おはようございます」「お疲れさまです」と挨拶をし、全員が揃い練習が始まると、私はウキウキソワソワする気持ちをなんとか仕事モードに切り替え、御用聞きという名のパシリにせっせと精を出したのだった。