恋した責任、取ってください。
肩の腕についてどう対処したらいいもんかと頭を悩ませつつ、隠しても仕方ない気がして正直に答えると、絡み癖があるのか、ザキさんは少し体を仰け反らせて私の頭の上から佐藤さんに話題を振り、その佐藤さんは盛大にむせた。
あらあら、まあまあと服に飛び散ったお酒を手近にあったおしぼりで拭くと、佐藤さんはさらにむせながら「すみません」と言う。
たくさんむせたから一時的に顔が赤い。
話しかけられるタイミングが佐藤さん的に良くなかったんだろうなぁ、ザキさん残念。
なんて思っている間に。
「なっちゃん、こっちおいで」
「はい!」
大地さんに呼ばれて、2杯目となっているリンゴサワーのグラスを持って立ち上がる。
「ああぁ、大地さんに取られた~」と残念そうな声色のザキさんのお世辞を背中に受けつつ、テーブルを回ってそばまで行くと。
「胃は平気?」
彼の周りで盛り上がっているルイネエたちの耳に入らないよう、コソッと耳打ちされた。
大地さんのお酒混じりの息がかかった耳が瞬時に火照って、バックンバックンと心臓が跳ねる。
でもそうだ、ルイネエたちの声で聞き取れないかもしれないというのもあるけど、楽しいお酒の席で胃が弱いことを堂々と心配するのは場の雰囲気を盛り下げてしまうおそれがあるのだ。
大地さんの気遣い、半端ない!
「今日は絶好調です」
「ならよかった」
「ありがとうございます」
笑うと大地さんもにっこり微笑み、満足げに何度か頷くと、しかしさらに気遣ってくれる。
「でも、ちょっとでもおかしいなと思ったらすぐに俺に言って。なっちゃんに無理させるために開いた歓迎会じゃないからね」
「はい」
「だけど、一人赤飯よりずっと楽しいでしょ。なっちゃんもたまにはハメ外さないとね」
「ですね」