恋した責任、取ってください。
そのノリはアメリカ人奥さんのアメリカンなノリの影響なのだろうか、若干ついていけなくて私は微妙な相槌を返すだけに留めた。
けれど、高浜さんの言うことも一理ある。
日本では今まで全くモテた試しがなかったけれど、もしかしたら、私の顔面は異国の人の好みにガッチリ嵌まるものかもしれない。
アラブ人とかどうだろう、石油出るし……って。
違う違う!
私は大地さんにモテたいのだ、やっぱり初めてつき合うなら日本人の大地さんがいい!
「……せっかくですけど、遠慮しときます」
ちらと横目で大地さんを窺い、ルイネエと高浜さんに丁寧に腰を折ってお断りの旨を伝える。
すると2人は「直角90度!」などと言ってゲラゲラと笑いはじめ、次いで高浜さんに「真面目か!」とツッコまれ、なぜかビールジョッキを注文され、それを手に押しつけられた。
要はもっと飲んでバカになれということなんだろうと思うけど、私的にビールは苦いからけっこう苦手な部類のお酒に入るので、どうしたらいいもんかとわりと本気で悩んでしまう。
と。
「ウズラ、こっち!ソウが話あるって!」
「あ、はーい」
ザキさんに手招きされ、今日の定位置である佐藤さんの隣にようやく腰を落ち着ける。
皆さんのところを一通り回ってきたから、そんなに時間は経っていないはずなのに、なんだか佐藤さんの隣が妙に懐かしい。
ニヤニヤ笑っているザキさんと、赤い顔をしてちびちびとお酒を飲んでいる佐藤さんの間にジョッキを持ったまま座って、口をつけるのが礼儀だと気合いを入れてビールを飲んだ。
「あ、それで話ってなんですか?」
麦芽の独特の苦味に反射的に眉間にしわを寄せたあと、口の周りに付いた泡をおしぼりで拭きながら佐藤さんを見上げて聞いてみる。
あれかな、今日はもんちゃんの散歩は妹さんですか、みたいな心配してくれる話だろうか。