恋した責任、取ってください。
「お、おはようございます……」
その甲斐あって始業時間に間に合った私は、しかし本日の体力気力を見事に使い果たしてしまい、私の声に気づいて挨拶をしてくれようとこちらを向いたチームの皆さんを唖然とさせた。
それもそのはず。
普段、もんちゃんの散歩以外では体を動かす機会が全くと言っていいほどない私は、壁に腕をついて伝い歩きのように部署に入ってきたし、足はプルプル、膝はガクガク、電車を降りてからまた走ったので呼吸もゼエゼエだったのだ。
まるで生まれたての何かみたい……。
「なっちゃんどうしたの!?」
「い、いえ、ちょっと……」
近くにいた恵麻さんが駆け寄ってくれ、心配顔でワケを聞いてくれたけど、適当な理由が何も思い浮かばなくて言葉を濁してしまう。
だって、飲みすぎて寝坊しましたなんて言えるわけがないじゃない!今日はまだ木曜日だよ、いくら週の後半に入ったからといっても少々気の緩みが過ぎるのではないだろうか。
「しまった、大地のヤツに先越された!週の真ん中に歓迎会だなんて、なんて人の都合を考えない男なの!ああ~、またやられた!」
けれど恵麻さんは、突如として目をカッと見開き、普段のクールビューティーがまるで嘘のように地団太を踏んで本気で悔しがる。
双子ならではのテレパシー的なものなのだろうか、恵麻さんには、私の様子を見ただけで昨日歓迎会があったことが分かったらしかった。
『また』と言ったからには去年もそうだったのだろうか、いやいや、でもでも誤解です!
「あの、恵麻さん」
「潰れるまで飲まされたんだよね!? アイツ、ザルだからその辺のことが分かんないのよ、今までにも何人の子が大地に潰されたか!」
「いや、恵麻さ……ち、ちが……」
「ごめん!この通りだから許して!」
「……」