恋した責任、取ってください。
パンと私の顔の前で手を合わせると、恵麻さんはこちらの話なんて一つも聞きやしないで腰を折り、20cmは違う長身を惜しげもなく屈めた。
えええーっ、そんなに謝られてもーっ!
「恵麻さん、あのっ」
あたふたしながらも、このまま隠していたら一方的に大地さんが悪者になってしまうため、本当のことを言わなきゃと口を開く。
が。
「いいのいいの、庇わないで。アイツ、昔っから人のせいにするの得意なヤツなの。幼稚園の頃なんかね、母親の化粧品を使って寝ている私にイタズラしてさ。怒られるの私じゃん? だって顔に塗ってあるんだもん、知らないって言ったところで信じてもらえるわけないじゃん!なのに犯人のアイツは知らん顔よ!」
「うわ、さすがに大地さんひどい……あ、」
「そうなの!ひどい男なの!」
と、ついポロッと本音が出てしまい、慌てて口を手で押さえたものの、結果的には大地さん悪者説に少し加担してしまった。
いやいや、でもでも。
大地さんのせいじゃないし、むしろ私のほうが絡んだりおぶってもらったりして迷惑かけちゃったし、誤解です!誤解なんですってば!
今さら言っても遅いかもしれないけど、やっぱり違うことは違うと言わなきゃいけないと気合いを入れて、新たな大地さん武勇伝を語ろうとしている恵麻さんに私は声を張った。
「おおお願いですから落ち着いて下さい、恵麻さんっ。私が自分で酔い潰れて迷惑かけたんです、大地さんは何も悪くないんですっ」
「……え? そ、そうなの?」
「はい。おんぶで部屋まで送ってもらったらしいんです……覚えてなくて同居してる妹から聞いた話なんですけど。だから誤解です」
目をパチクリさせる恵麻さんに、恥ずかしさを押し殺して昨日の事の顛末を告げた。
「あら。大地にしてはジェントルマンね」