恋した責任、取ってください。
ニパッと笑って、うんうん頷く。
なんて言ったらいいんだろう。
恵麻さんの言葉は目からウロコだったのだ。
恵麻さんが言った通り、彼氏ができて初体験をして、女の子としてどんどんステージを上げていく周りの子たちを見ていると、私だけ取り残されたような気がして、劣等感とも焦燥感とも言える気持ちが、私の胸の内側を長いこと勝手にジクジクと意地悪く刺激していた。
単純に羨ましくもあったんだと思う。
恋に一喜一憂する姿が眩しかったから。
けど、元々が変化を嫌う性格のせいもあって、未だ自分には訪れる気配のない甘酸っぱい体験への憧れは、いつからか色が褪せ、輝きも失くして、結局大地さんに出会うまでは私自身すっかり忘れてしまっていたような気がする。
他人に流されない強さが私にあるという話は絶対にヨイショだろうけど、本当に想いが通じ合った人と--大地さんとそういうことができたなら、こんなに幸せなことはない。
だから、恵麻さんが熱く語ってくれたことは、今まで大事にしてきて本当に良かったと思えたし、私でも大地さんを全力で想っていいんだという自信にも繋がり、まさに目からウロコ。
やっぱり恵麻さんに話してみてよかった。
ふぅ、と一つ息をついて、表情を引き締める。
「私、こういう悩みを誰かに打ち明けたことがなかったんです。笑われたりバカにされたり、恋の一つもできなかったわけですし、病院を勧められでもしたらどうしようって思ってて。だから聞いて頂いてありがとうございます」
「病院?」
「え、だってほんとに誰も好きになれなかったんですよ。モテた試しがなかったせいもあるかもしれないですけど、何か欠陥があるのかなって普通に不安になるじゃないですか」
言うと、恵麻さんはピクリと片眉を上げる。
あ、恵麻さんのこれ、大地さんがちょっと不満に思うことがあるときにする癖と一緒だ。