恋した責任、取ってください。
事もなげに言われ、おまけにニッコリと微笑まれるという特典まで付いてくると、久しぶりに会えた感動も相まって、私の心拍数は急激に上昇し、すぐには言葉が出てこなかった。
こんなに意識しちゃうのは恵麻さんと散々大地さんの話をしたからだ、絶対そうだ……。
大地さんが来ると分かっていたら、心臓に負荷がかからない程度に加減して話をしたし、今日の服装だってもっと気合を入れて来たのに。
偶然でも会えて嬉しいはずなのに、反して細かいところが急に気になってしまうなんて、私もだいぶ悩みが贅沢になったものだよ。
喜んでいいのか、悲しむべきなのか。
うーん。
「あ、ありがとう……ございます」
「いいえー。じゃあ、俺らも帰ろうか」
「……はい」
結局、胸がいっぱいになりすぎて、つっかえつっかえの返事をした私に、大地さんは「なっちゃん、今日も酔ってる?」と軽く笑っただけ。
……酔っているのは、あなたにです。
口を開きかけて、慌てて閉じる。
少しだけだけどお酒が入っているせいで、今日の私は自分で思っている以上に理性や冷静さのストッパーが外れかかっているらしい。
ウーロンハイの上澄みだけで酔えるなんて、どんだけお酒に弱いんだろうか、私……。
帰り際。
コーチの肩を借りてふらふらと歩を進めていた恵麻さんは、彼の肩にもたげていた頭を弾かれるようにしてハッと起こすと、唐突に振り向いて、なぜか私に親指をグッと立てた。
「なっちゃ〜ん、例のアレ、大地にちゃんと言うのよ〜。大丈夫、絶対引かれないから~」
「ちょっ、恵麻さん……!?」
意味が分からないといった顔をして見つめ合っている男性陣とは反対に、意味が分かっている私は、一人、あからさまに動揺してしまう。
コーチに電話をするつもりが間違って大地さんにかけたのも、その後、通話を切らなかったのも、全部恵麻さんのお膳立てだったりして。