汝は人狼なりや?(※修正中。順を追って公開していきます)
 連鎖するように次々に話すみんなの言葉を聞いて、誰もがハッと驚いてはお互いの顔を見合わせていく。

 はたして、こんなことがあっていいんだろうか?クラスメートのみんながみんな、僕と同じように眠気に襲われて……意識を失っている、だなんて。

 全員、同じタイミングで眠気に襲われた?生徒の誰一人欠けることなくその場に倒れた?こんな怖いほどの偶然……あってもいいものなんだろうか?


「な、なんで? 私たち、いつの間にか睡眠薬でも飲まされた……?!」


 声を荒らげたのは由良城さん。でも、確かにそうだ。みんながみんな、同タイミングで眠るだなんて普通はありえないから、誰かに意図的に眠らされたんだ。

 睡眠ガスらしきものはなかった……ように思う。窓はあいていたから、教室の近くにいた人にも影響が出てしまうだろうし、何より誰かに見つかるリスクが高いように思うから。

 由良城さんの言うように、睡眠薬は……どうだろう?みんな同じものを口にした……となれば、思い当たるのはお昼の給食のカレーライスだけれど。

 教室に運ばれた鍋たちの前に生徒たちが並び、お皿に順に米やカレーを盛り付けていくタイプで、いつもと同じやり方……。気付かれないように誰かが米やカレーの鍋に睡眠薬を入れたとしたなら、不可能じゃない。

 そうなれば、〝だれ〟が〝どのタイミング〟で睡眠薬を入れたのかが問題になってくるけれど……。


「カレーだ……」

「なんだって?」


 怯えてポソッと言葉を漏らしたのは、壱壁くん。


「睡眠薬が入っていたの、カレーだよ……!」


 僕と同じ考えに至る人は、他にもいたみたい。「食べなければよかった」と頭を抱える彼に、狼谷くんが「ふんっ」と鼻で笑った。
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