生贄投票
孝史は食事を始めた。


いつも美味しい母の料理が、何だか今日は味がしない。


要領をつかめないまま、不安だけが頭の中を支配しているのだ。


ほとんど味わうこともなく、食事を終わらせたとき、環奈がお風呂から出てきた。


「姉ちゃん。大変なことに巻き込まれたみたいだね」


孝史がそう言ったとたん、環奈の顔が歪む。


「そうなのよ。アタシが生贄に選ばれちゃったの」


「あのさぁ、俺も手伝うから、とりあえず今までの経緯を教えてくんない」


「うん。分かった」


環奈は突然生贄投票の画面が現れてから、今に至るまでの経緯を話した。
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