生贄投票
相変わらず状況は厳しいけど、環奈は自然と微笑んでいた。


結局柴田くんから、告白の言葉は聞けなかったけど、どう考えたってあれは、アタシのことが好きなんだと思う。

彼のことを、今まで何とも思っていなかったけど、そこそこ男前だし、好きだと思われて悪い気はしない。


とはいえ、今この状況では、呑気に色恋沙汰に勤しんでいる場合ではないのだ。


でも…

正直クラスの中で、信頼できる人間がいない今、好意を持ってくれている者の存在は大きい。


昨日からずっと、孤立無援だと思っていた環奈は、家路に向かいながら、ずっと顔が緩んでいた。
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