生贄投票
えっと、あの、その……そうだ。電話だ!


すぐに母の携帯電話の番号を呼び出す。


発信ボタンを押してすぐに母が電話に出てくれた。


『どうしたの孝史?』


「母さん大変だ!」


『大変? 大変って何が大変なの?』



「今警察から電話があって、姉ちゃんが事件に巻き込まれて、中央町の総合病院にいるからすぐ来てくれって」


『何ですって! 本当なのそれ?』


「嘘じゃないよ。名前は覚えてないけど、中央警察署のって名乗ってたし」


『分かった。すぐに病院に行くから』


母はそのまま電話を切ってしまった。

頭の中が未だに整理出来ない。

孝史は次に父親にも電話をかけて、姉のことを伝えた。
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