生贄投票
ようやく父が帰って来ると、明里は急いで玄関まで迎えに出る。


「何だ? 何かあるのか?」


普段出迎えることなんてないから、父の一俊は驚いて身構えた。


「お願いお父さん。スマホの契約を変えさせて」


「え?」


「このままじゃアタシ、殺されちゃうよ」


「ええっ! 殺されるって誰に?」


突然可愛い娘が、殺されるなんて言うもんだから、一俊は慌てた。


「だから言ったじゃん。生贄を選ばされてるって」


「いや、でもそれは、悪戯なんだろ?」


「三人も死んでるのに悪戯なわけないでしょ!」


明里が興奮して大声を出したから、聞きつけた母親が慌てて飛び出してきた。
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