生贄投票
「なぁ、アイツがあそこまで言ってるんだから、買い替えてやればいいじゃないか」


食卓に座ると、一俊が志穂に声をかける。


「はぁ? 何をバカなことを言ってるのよ」


志穂は温めた料理を持って、一俊の前に置く。


「いや、でもなぁ」


「あのねぇ~あの携帯買ったのって、あの子が高校に入学したお祝いにでしょ」


「ああ」


「まだ二年経ってないから、解約なんてしたら違約金を取られちゃうのよ」


「そりゃそうだけど……」


「じゃあアナタのお小遣いで買ってやればいいじゃない」


「おい、無茶言うなよ。そんなに貰ってないぞ」


「じゃあ諦めさせてよ」


志穂は夫を睨んだ。
< 303 / 827 >

この作品をシェア

pagetop