生贄投票
藤本が明里を連れて出て行く。

いつもなら藤本がいなくなると、すぐに雑談を始めるのに、今日は誰も口を開かなかった。


みんなが遠巻きに涼花を見ている状況である。


涼花自身も、人を傷つけたというのに平気な顔で、腕組みをしたままふてくされていた。


全員がそんな涼花を、ただ黙って見ていることしか出来ないでいる。


何か言って、自分がカッターナイフで切られでもしたら洒落にならないからだ。


それにしても、今までみんな仲が良くて、こんな風に揉めたことなど一度もなかったから、

どう対処すればいいのか、誰もよく分からなかったりする。


ずっと会話のない重い空気は、一時間目の教諭が来るまでずっと続いた。
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