生贄投票
「結構深く切れててさぁ、病院で縫ってもらったの」


明里は包帯で巻かれた手を、栞に見せた。


「そっか、でも大事にならなくて良かったよ」


「アイツなんなの? いきなり人の手を切るなんて、頭オカシイんじゃないの?」


「ちょ、止めてアカリ。気持ちは分かるけど、もうこれ以上揉めるのはよそうよ」


「だってさぁ」


「分かってるから、アカリの気持ちはみんな分かってるから。だから我慢我慢」


「う、うん」


確かにこのまま行ったら、殺し合いにまで発展しそうだ。


明里は前の方に座っている涼花の背中を睨みながら、グッと我慢をすることにした。
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