生贄投票
「行くってどこに?」


横をすり抜けようとした栞の腕を、藤本は咄嗟に掴んだ。


「アカリの家です」


「いや、オマエ、あのなぁ」


「だって昨日から連絡が取れてないんですよ! 今週はアカリとカノンが生贄に選ばれてて、その二人と連絡が取れなくなってるんです!」


栞は大声で怒鳴った。


「分かった。分かったから落ち着け、連絡が取れないって言うけど、高橋の家族にもとれないのか?」


「え? 家族……それは知らないから」


「じゃあ自宅には電話してないんだな?」


「ええ、はい」


「じゃあホームルームが終わったら、俺が高橋の自宅に電話をしてみるから、とりあえず席に着け」


藤本に促がされ、栞は焦る気持ちをグッと堪え、渋々自分の席に着いた。
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