生贄投票
誰かと一緒に自宅のお風呂に入るのは、五年前に父親がこの家を購入して以来、初めてのことである。


それにしても、美奈都と亜夢の気配りが嬉しい。


投票結果が発表されてから今に至るまで、一人ぼっちの時間がないのだ。


多分一人だったら、今こんな気持ちではいられないだろう。


100万回のタップは正直難しいかもしれない。それでもやらないと殺されてしまうのだ。


涼子が頭を洗っていたら、洗面脱衣所が賑やかになって、すぐに浴室のドアが開いた。


「リョーコ聞いて!」


と言われても、今はシャワーで髪の毛を流している真っ最中である。


「どうしたの?」


涼子は一旦シャワーを止めて、髪の毛をかき上げるように水を切りながら美奈都の方を向いた。
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