生贄投票
「ほら誰もいない」


美術室のドアを開けて、涼子が中を見てから振り返って微笑む。


ここに来るまでの間、三人はお通夜のように静かで、こんなに会話がなかったのは、もちろん初めてのことだった。


「まさかカンナが選ばれちゃうとはね」


作業台の上に弁当箱を置き、椅子に腰掛けたところで、涼子が口を開く。


「みんななんでカンナに投票したの?」


美奈都は気になっていたことを真っ先に聞いた。
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