いい加減な恋のススメ
もう、本当にやめてほしい。何でこの人こんなことするの。
「それ、本当に反省してます?」
「はぁ?俺が珍しく謝ってやってんだぞ」
「うわっ、今ので水の泡です」
「……うっせ」
幸澤先生は恥ずかしかったのか、そっぽを向いた彼の耳は真っ赤に熱ってきて、私は「うわっ」とそれが伝染したように顔を赤く染めた。本当、不覚だ。
彼がこんな真面目に謝ってくるのなんて初めてで、それだけあの時のことを気にしてくれていたってことで。ちょっとみっともかったけど、それだけで本音でぶつかってみて良かったなって思えた。
「私の方こそごめんなさい」
自然と口から謝罪の言葉が出た。
「全然上手く進まなくて、その時に呼ばれたからつい……」
「……何で俺に相談しなかった?」
「それは……」
「……また、負けたとか思うからか」
まだお前高校の頃のこと根に持ってんのかよ、と彼は呆れたように言うけど私の顔を見てパッと口を閉じた。
やっぱり、彼には私の気持ちなんて全然分かっていないんだろうな。
「そうですね……意地なんか、張らなきゃ良かったです」
「……」
私馬鹿だ、1番大切なものを見落としていた。