いい加減な恋のススメ
1番大事なのは授業なのに。
幸澤先生は思った以上に弱っている私を見て焦ったのか、下唇を噛むと仕方がないと言いたげに私の方に手を呼ばした。
そして、
「わっ、きゃあ!何するんですか!」
私の髪の毛を乱すようにわしゃわしゃと激しく頭を撫でた。
と、
「幻滅したなんて言って悪かったな!」
「っ……」
「けどあれは、お前に期待してるってことだし、お前もプライド高いからああいう方が燃えるんじゃねぇかなって思ったんだよ」
「……」
「うわっ、何だこれ。言い訳にしかなってねぇな」
この人、多分人を慰めるのが下手だ。そう直感で分かった。でもその下手くそな慰め方が今はとても嬉しかった。
「もう、あんまり気にしてませんから」
「……そうか、良かったぜ」
彼はおずおずと私の頭から手を離した。そしてまた困ったように両手を顔の前で合わせて、私の顔を覗き込んだ。
「……だからさ、もう無視すんのはやめてくれ」
「っ……」
「本当反省してますよ」
この人、本当こういうのは上手いよね。私は悔しくなってしまったけど、だけど本心には勝てなかった。
「許してあげても良いですよ」
そう言うと彼は嬉しそうに笑う。