いい加減な恋のススメ
その顔も何もかも狡い。
「で、上手く行ってんの?」
「……」
私がその話題になった瞬間に顔を逸らしたのを見て、彼は「おー?」と、
「大丈夫かよ」
「はい、これからですから」
「ったく、本当頼むぜー。俺の教え子なんだからよー。俺の評価まで下げないでくれよ」
「っ……」
私はそう調子に乗って私を挑発してくる彼を睨んだ。
私が1番プレッシャーに弱いってこと知っててこんなこと言うんだ。本当最低な人。
「じゃあ、何かアドバイスぐらいくださいよ」
「俺はあげても良いんだけどお前のプライドが許さねぇかなぁって思ってよ」
「……そういうの、もう気にしてないんで」
「そーなの?じゃあ『教えてください幸澤先生。もう2度と呼び捨てになんかしません』って言ったら教えてやってもいい」
あの時のことやっぱり根に持っていたのか。確かに歳上の彼を勢いで呼び捨てにしてしまったのは悪かったかもしれなかったが。
私は彼の言葉に逆らうことが出来ず、彼の目をじっと見つめると口を開く。
「もう呼び捨てになんかしないので、教えてください……このドS教師」
「おー、最後のは特別に聞かなかったことにしてやるよ」
彼の顔は笑っていても目だけは笑っていなかった。