いい加減な恋のススメ
私はリック先生の体を押して被服室の外へと一緒に出た。周りの生徒たちも安心したのか、ほっと胸を撫で下ろす。
良かった、何も壊れてないようだ。私も外に出ると安心したように息を吐く。
と、
「イズミは面倒ことをよく嫌がるね」
そんな饒舌な台詞が降り掛かってきたため、声がした方を向くとリック先生は私のことを見下ろしていた。あれ、リック先生ってもっと片言だったような。
「め、面倒こと?」
「だってそうでしょう?今だってワタシが剣を振り回して、それで物が壊れたら面倒だからって外に出した」
「……そ、それは……」
確かにそうだけど、と私はまるで説教を受けているように頭を下げた。リック先生が何を言いたいのか分からない。だけど何か責められているような気がした。
リック先生はにこっと人懐っこい顔で微笑む。
「イズミ、面倒くさいからって何でも片付けちゃ駄目だよ。本当はそれが大事かもしれないから」
「……」
「確かに今のワタシの行動嫌でしたけどね」
そんな口振りから先程の行動はわざとだったということが窺える。
私は普段とは違うリック先生に釘付けになっていた。