いい加減な恋のススメ












体育館集合30分前、ようやくこのときがやってきた。


「お化け屋敷かんせーい!」


皆は嬉しそうな声を上げると抱き合ったりハイタッチを交わした。
この文化祭当日ギリギリにして、やっとお化け屋敷が完成したのだ。


「じゃあ全員急いで体育館集合。遅れんなよ」


そう呼び掛けた幸澤先生は被服室の鍵を閉めようとドアに近付いた。

と、


「その前に~!」

「っ!?」


生徒たちはそんな幸澤先生を後ろから強く押すと被服室の中へと入れてしまった。
私がその光景に唖然としているとドンッと後ろから誰かに体当たりをされる。


「泉ちゃんも!」

「え!?」


私も!?、とジリジリと女子生徒たちに押されて気が付けば教室の中まで通されてしまっていた。
すると後ろの扉がピシャンッと大きな音を立てて強くしまった。

セロハンでライトを赤くした教室はそれだけで不気味だった。


「2名入りまーす!」

「幸澤と泉ちゃんが初めてだからねー」


どうやら、私たちははめられてしまったらしい。



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