いい加減な恋のススメ
何とかして外まで出ると生徒たちが嬉しそうに待ち構えていた。
幸澤先生はかなりご立腹だったみたいだけど。
「しょうもねぇことすんな!」
「えー、てか幸澤全然怖がってなかったじゃんー」
「面白くねー」
「十分だったじゃねぇか。俺の代わりに安藤がこんなんなんだから」
幸澤先生はそう言うと自分の腕を掴んでいる私を自慢気に見せつける。私は我に返るとパッと彼の腕から手を離した。
「じゃあ時間ねぇから全員ダッシュで体育館行け」
「廊下走っていいのかよー」
「競歩だ競歩」
生徒たちは言われた通り急いで体育館の方へと向かっていく。
時間は無かったけれど折角完成させたこのお化け屋敷の初のお客さんを私と彼にしてくれたのはとても心優しいと思う。
それにしても、
「……」
驚きというよりも彼へのドキドキが未だに止まりそうにない。というか前よりも凄い。だってもう密着もしてないのに隣にいるだけでドキドキしてしまうんだから。
どうしてしまったんだろう。
不意に彼のことを見上げると向こうも私のことを見ていたらしく目が合った。
「俺のことからかった罰」
彼はそう言って舌を見せる。