いい加減な恋のススメ
周りに生徒もいないから安藤の名前を出したが小田切は不思議そうな顔をした。
「何?付き合ってんじゃねぇの?」
「あ……えっと」
「てか一緒に回れば?最後なんだしバレてもいいだろ」
安藤可哀想ー、と茶化すように言えばヤツの顔は段々と真顔になっていき、俺の顔を見つめていた。
俺が「何その顔」と言えば彼は戸惑いながら「い、いえっ」と、
「なんか、安藤さんの気持ち分かったかも」
「は?」
どういう意味?、と問い掛けようとしたその瞬間、「幸澤!」と声が聞こえる。生徒たちが帰ってきたのだ。
「はや、早すぎんだろ」
「見事に全部使いきってやったぜ」
「やったぜって、俺にちょっとぐらいお土産とかねぇのかよ」
食うか?、と食べ掛けのフランクフルトを顔に向けられたが勿論断った。
ていうかさっきの小田切の話が気になる。何が安藤の気持ちだ。そんなの知らねぇ。
いや、知らない方がいいのか。
小田切に視線を向けるとヤツはいつものように爽やかな笑顔を振り撒いた。
あぁ、何かムカつく。ていうか俺も何安藤と小田切のことで首突っ込んでんのか。
こういうこと考えるの面倒くせぇからやめよう。