いい加減な恋のススメ
安藤は多分俺のことをかなり勘違いしている気がする。それも高校の頃からだ。
だけどそれは実は俺自身が仕掛けていたものであるが為に今でもアイツに何も言ってやれなかった。
が、それは前の話だ。
「(ねーだろ、普通。生徒だぞ)」
元でもアイツは生徒だぞ。どこに本気になる理由があるんだよ。
アイツもアイツで、何を考えているんだ。
教師本気になんなよっていうのはよく思う。
確かにピンチを救った、例えば受験の日にしゃがみこんでいたところを助けて高校まで連れていってくれた男に恋をするななんて無理な話なのは分かる。
でも、それが教師なら諦めろよ。
「(こっちにも都合というものがある……)」
名前呼んで、顔を見たときに直ぐに分かった。というよりもあんなに印象に残っている人間の顔をそんなに直ぐに忘れない。
何だ、受かってたのか。それはそれは、俺が必死にバイク運転した甲斐があった。
だけどあんなときにそんなこと言えるわけがない。だから何も言わないようにした。
なのに、アイツは……
俺のことを泣きそうな目で見てくるから。
ヤバいなってのは直ぐに感じた。