いい加減な恋のススメ
多分、コイツは俺に運命を感じていたりするんだろうな。自意識過剰だとは思っていてもそう考えてしまう。
俺も、お前が生徒じゃなかったらそう思ってたかもしれないかもな。
だけど、俺らの立場は決定的に違う。
「何のこと?」
それもこれも全部お前のためだよ、安藤。だからどうか俺のことを悪く思わないでくれよ。
安藤は悲しい顔をすると何も言わずに去っていってしまった。
そもそも俺彼女いるし、教師だし、生徒とか関係なくそういうことになるのは勘弁だったし。
「(心がいてぇ……)」
誰好んで人を傷付けなきゃいけねぇんだ。どちらかというと俺は平凡に生きていきたいタイプなんですよ。これからもただ教師生活を謳歌して、自分のため誰かのために働いてそれなりに幸せになれば……
幸せ、ね。
「律、あのね」
当時の彼女が言っていた。
「私たち別れた方がいいと思う」
「……」
彼女はベッドの外に散らばっていた服をかき集めるとそれに着替えながら別れ話をした。
さっきまで仲良くベッドの中で戯れていたというのにどういう気持ちの変化だ。情緒不安定か。
大学の頃からの彼女だった。
俺はベッドの上で煙草を噴かしながら「何で」と問う。