いい加減な恋のススメ
「だって、律は私のことそんなに好きじゃないでしょう?」
そんな戯けたことを抜かす彼女に思わず笑いが溢れる。
「好きじゃねぇ女とセックスはしない」
「そうだね、好きではいてくれたかも。でも愛してはいないでしょう?」
「……」
何が言いたいの、と発した声は何故だか怒っているように自分でも思っていて、あぁ、俺は確か思いがけないことが起こるのが嫌いな性格だったなと思い出した。
彼女は下着を付けるとその綺麗な長い髪の毛を払った。
「律が私のことを好きな理由って何?」
「理由なんてねぇ。ただ好きなもんは好きってだけ」
「そうだよね、無いよね。だって私から律に告白したんだもの」
「……」
「……律が私を好きな理由は私が律の彼女だからだよ」
モヤモヤしていたものが最後のピースが揃ったパズルのようにしっくり来た。
「私のこと彼女にしたのって、あの時律に彼女がいなかったからでしょ」
「……そうだな」
「それで、彼女だから好きでいてくれた」
「……だな、普通に彼女は大切にしますよ」
息を吐くと白い煙が部屋に消えていく。慣れているはずなのに何故か息苦しく感じる。