いい加減な恋のススメ
期待されてしまうのは苦手だ。面倒臭い。結局何も返してやれないのだから。
だからさ、安藤もこんな男止めた方がいいぜ。
「お前、俺のこと好きみたいだな。有り得ねぇけど」
一瞬安藤の表情が強張った。きっと、俺は彼女にとってとてつもなく酷いことを言っている。未だ告げてもいない好意を拒否したのだ。
安藤さ、結局俺のことで高校生活無駄にしただろ。本当に可哀想に。どうして諦めないかな、結果目に見えてたでしょ。
何で俺なんだよ、勿体ないよ。そういう気持ち、俺には分からないけど凄い大切なのは知ってるから。
彼女の好意はストレート過ぎた。
いつしか部屋を出ていった彼女と重ねていた。
それから何年か経ったある日のことだ。俺は思わず笑い転げてしまいそうな出来事が実際に起こった。
安藤がまた俺の前に姿を現したのだ。
しかし安藤は変わってしまっていた。俺へ向ける視線にはもう何の感情も持ち合わせてはいなかった。
それが何処かで許せない自分がいた。本当に参った話だ、意味が分からない。何故俺がこんなことで悩まなければいけない。
「(馬鹿だな、元とはいえ教え子だぞ)」
しかも、昔に俺は彼女の好意を踏みにじった。
それなのに自分でも何故か止められなかった。
酔い潰れたアイツが小田切に送られるのを見て、ふざけんなと思った。