いい加減な恋のススメ



それからはずっと曖昧なラインを立ち続けている。
安藤が中身と見た目は変わっていなくても、やっぱり何処か変わったと思う。多分大人になって分別が付くようになったんだろう。

安藤は俺を酷く嫌っていた。俺の気持ちも知らないで何を言う。


「(じゃあ何で……)」


俺に抱かれんだよ。何で拒まないの。

なぁ安藤、お前今でも俺のこと好きだろ。


「面倒くさ」

「は?何が」


ボソリと呟いた言葉に男子たちが反応する。それでも俺は壁に凭れたまま考え事を続けた。
どうしてここまで苛々するのか分からない。小田切に安藤と別れたことを聞かされたからか。何で俺が餓鬼の交際に苛々すんだよ。

何で今になって彼女の言葉が鮮明に思い出される。


―――「だって、律は私のことそんなに好きじゃないでしょう?」

「私じゃ、律のこと幸せに出来ないと思う」

「……だから、そうだな。『他の人に奪われたくない』って思った子と幸せになって」


奪われたくない、ね。


―――「好きな人がいます!」

「その人と、付き合ってます」











「悪い、俺抜けるわ」



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