わがままなキッス☆ 【短編】
「…太、惣太ってば!」
『えっ…』
「もう、聞いてるの?惣太って
由里のこと知ってるよね。」
『うん、沙織が1年の時
仲良くなった子だろ。
たしか…前川由里だっけ?』
「そうそう、すんごく
いい子だからね♪」
『ふ〜ん、そう…』
僕は正直
沙織以外の子に興味がない。
よく女子に話しかけられるけど
名前もよく覚えてないし…。
今回は沙織といつも
一緒にいる子だったから
たまたま覚えていたけど…。
「惣太が女子の名前覚えてるの
めずらしいね。」
『えっ…たまたまだよ。』
「ふ〜ん…」
沙織は僕の顔をじっと見ている。
『何…?』
「べっつにぃ〜。」
ぷいと横を向き
さっきまでとは打って変わって
静かになる。
沙織は時々こうゆう態度をとる。僕にはさっぱり解らないけど
慣れてしまっているので
いつもなら気にならないけど…
僕は何となく
胸がもやもやするのを感じ
嫌な予感がしていた…。
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