わがままなキッス☆ 【短編】
休み時間
由里ちゃんが僕の所に来た。
教科書を机に置き
ペラペラとページをめくる。


「えっと、ここ…教えて。」


『あぁ、これはね…』


僕が説明を始めると
彼女は少し顔を近づけ
周りに誰もいないのを確認すると小声で話し始める。


「ねぇ、惣太君って
告白とかしないの?」


『…っ!!』


教科書に視線を
落としていた僕は
由里ちゃんの言葉に驚き
ガバッと顔を上げる。

それを見た彼女は
ぷっと吹き出した。


「そんなに動揺しなくても…」


『き、急に変な事言うから…』


僕は再び教科書に視線を落とす。少し顔が熱い。


「だって沙織が他の人と
付き合っても平気なのかなって」


『…平気じゃないよ。』


「じゃあなんで協力とか
しちゃうわけ?」


『由里ちゃんには関係ない…』


わかってる。
ただ僕が臆病なだけだって…
今の関係を壊すのが怖いんだ。



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