わがままなキッス☆ 【短編】
『でも…沙織平気なの?』
僕は沙織を見る。
きっと沙織も辛かっただろう。
好きになった人が
親友のこと好きで
自分が利用されていたかも
しれないなんて。
「えっ、何が?」
沙織はキョトンと僕を見つめる。
『何がって、沙織
早川のこと好きなんだろ。』
「あぁ、もう好きじゃないよ。」
『えぇっ、そうなの!?』
そんな話しは聞いて
なかった僕は
おもわず声が裏返る。
なんだ心配して損した…。
沙織は笑いながら
僕の顔を見つめる。
「遊園地行ったあと
何度か4人で遊んだとき
ちょっと早川君の様子が
変だったから
問い詰めてみたんだぁ。
話し聞いたら、なんか
協力してあげたくなって…
相談にのってあげてたの。
今日ホントはカラオケ
行くはずだったんだけど
早川君が相談あるって言うから
話し聞いてあげてて…」
『そうだったんだ…』
全然そんな事とは
知らない僕は
なんだかおいてきぼりを
くらった気分だった。
沙織が僕に話さない事も
あるんだと思ったら
胸がズキンっと痛む。
何でも話してくれてると
勝手に思い込んでいたから…
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