わがままなキッス☆ 【短編】
沙織はゆっくり僕の体から
離れると話し始めた。


「私も惣太の事が好き。
ずっと惣太からの好きって
言葉を待ってた。」


えっ今、沙織も僕の事
好きって言ったよな…。


僕はほっと胸を撫で下ろす。
でも聞きたい事は
たくさんあった。


沙織は涙で潤んだ瞳で
僕を見つめている。
先に口を開いたのは沙織だった。


「小学校の時、惣太って
すごく女子から人気があって
私…嫉妬してたの。
その頃、惣太は私の事
どう思ってるかも
わからなかったし…
素直に気持ちを聞くのは怖くて
好きな子出来たって嘘ついた。
惣太にそんなのダメだって
言ってほしくて…。」


沙織は少しうつむく。
僕はあの時の事を思い出し
唖然とする。
あれにはそう言った意味が
あったなんて…


たしかに僕は鈍感だ…
いまさら納得してしまう。



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