わがままなキッス☆ 【短編】
僕たちはお互いの事を
想い過ぎて、気持ちが
すれ違っていたようだ。


『…じゃあ彼氏作ったり
してたのも僕の気を引く為とか』


沙織は小さく頷く。


「ホントは付き合ってないの。
事情話して
フリしてもらってた…
ほら惣太の友達
ばっかりだったでしょ。
由里もそれ知ってて
協力してくれてたの…。」


『はぁ?どうりであいつら
話し聞いても何も言わない
わけだ……』


そう…
僕は沙織と付き合ってた
奴らに話しを聞くと
「お前には教えない」
とか言われて邪険にされてた。

沙織が由里ちゃんが
僕を好きになるのはありえない
って言った意味もわかった。


僕は大きなため息をつく。


『僕たちバカだな…』


素直に好きって言えてれば
こんな遠回り
しなくてよかったのに…


僕は可笑しくなって
クスクス笑い出す。


「そうだね…」


沙織も一緒に笑った。


一通り笑い合った後
僕は改めて沙織の顔を見つめ


『沙織の事好きだ。
僕と付き合って下さい。』


「うん。私も惣太の事大好き!」


沙織は再び僕に
勢いよく抱きついた。



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