もう君がいない
こんなの初めてじゃないのに、どうしてこんなにドキドキしてるんだろう。
小さい頃はいつも手を繋いで歩いてた。
昔からよくつまづいたりして転ぶ、どんくさい私を、いつも蓮が支えて助けてくれてた。
でも、久しぶりに触れた蓮の腕は、やっぱり男の子だなって感じがするほどがっちりしていた。
あんなに小さかったはずの手は、はるかに大きくなっていて、少しゴツゴツしてた。
そんな変化が、じかに肌から伝わってきて、、
そして、私と蓮の間に、確実に長い月日が経ったんだと感じた。
もう、昔の蓮じゃない。
私も、昔の私じゃない。
見上げるほど高くなった背。
面影はちゃんとあるけど、大人の表情を見せるようになった顔。
がっちりした肩幅。
大きくなった靴のサイズ。
講義の間中、私は蓮をずっと見つめていた。
そんな私を見ていた、光貴の視線にも気づかなかった。
ただまっすぐに、ずっと、蓮を見ていた。