もう君がいない


「たまには、こんなとこ来てのんびりするのもいいね〜。」


そう言って、ベンチに寝転ぶ美雪。

私はその横に腰かける。


「そうだね。たまには自然もいいね。」


上に向かって手を伸ばすと、空に浮かぶ雲がつかめそうだった。



そう言えば、小学生の頃、夏になると毎年キャンプに行ってたな。

私の家族と、蓮の家族と。


すごく楽しかったな〜。


キャンプのときって、いつもは大人しい蓮が、頼もしく感じられるんだよね。

虫の苦手な私に、虫が近寄ってきたら追い払ってくれたり。

最初、花火に火をつけるのが怖かった私に、火をつけて綺麗に輝きだした花火を手渡してくれたり。



蓮に助けられてばかりだった。


特に助けを求めなくても、気づいたら蓮が、さっと動いてくれてるんだよね。

何も言わなくても、わかってくれるんだ。


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