院内恋愛(旧:恋の階段*タイトル変更しました)
結局、水曜日の夜、蒼介の家のキッチンでカレーを作っている私。

風邪はほとんどよくなったけれど、とりあえずマスクは着用中。

料理は、嫌いじゃないけど、あまり上手ではなく、レパートリーも少ない。
それでも、彼氏の家で彼氏のために料理を作るというシチュエーションに盛り上がっていたのかもしれない。

蒼介は、リビングで、パソコンをしている。大学院の論文らしいことは分かっていたのに。

「カレー中辛でいい?」

「このお皿使っていい?」


何度目かの質問に蒼介が答えた後、

「真美。悪いけど、ご飯前にこれだけ終わらせたいから。台所は何使ってもいいから。」

と、申し訳なさの中に抑えた苛立ちが含まれているのを感じる。

「ごめんなさい。」

一人だけ盛り上がって、気遣えなかった自分もイヤになり、謝罪の声も小さくなってしまい、聞こえていないかもしれない。

今日は、カレーを作り終わったら帰ろう。

やっぱり週末だけにしとけばよかった。

周囲の人に、怒られたり疎まれたりすることに極度に敏感になっている自分が嫌になる。

顔色をうかがいすぎるのもよくないとも思うけど、状況を読めなかった私が悪い。

負のループに陥って、すべてを自分に否定的に捉えては自分がしんどくなるだけだとどこか客観的に思うのに、抜け出せないループ。寝たいのに寝られない焦燥感に似ている。
< 27 / 36 >

この作品をシェア

pagetop