院内恋愛(旧:恋の階段*タイトル変更しました)
蒼介が動いて、背中に耳が押しつけられてる。
音聞かれてるかも…
吸って、吐いてーと大きく息をしてみる。

「いい子、続けて。」

と、蒼介が位置を変えた。
また深く呼吸をした。
それを上下左右で4回繰り返し、また後ろから抱きかかえられる態勢に戻った。

「ステート(聴診器)じゃないから、ちょっと聞きにくいけど。音は悪くないと思うよ。確かに、喘鳴はしてない。」

その言葉にほっとする。

「今度は、甘えて頼ってくれたらうれしいけど。」

ちょっとだけ、強めの口調。色々抑えて含んでいるんだと思う。たぶん、本当はもっときつい言葉で言いたかったのかもしれない。私のメールが嘘だったこともばれてる。夕方の私の宅急便騒ぎがあったから、きっと気を遣われている。

謝るのはダメだと思って、うなずくしかなくて、うなずいた私を強く抱きしめてくれた。



「おやすみ。」


「おやすみなさい。」
< 35 / 36 >

この作品をシェア

pagetop