魔法使いの一日
「あー……うん、その……」

「まあ…なんだ……」

「いや知らないから」


何故か言葉を濁す2人。それにミリンはため息を吐き答えた。


「2人とも、正直に答えたらどうですか。試験は魔法を使ってズルをしたと」

「は!? ズル!?」


ミリンの口から発せられた言葉に衝撃を受ける。2人は図星をつかれたかのように黙り込み俯いた。どうやら本当の事らしい。


「っは〜〜〜〜! 信じらんない……」


思わず頭を抱えた。なんと言うか……怒りを通り越して呆れてしまう。


「そこの馬鹿二人に比べ……ミリンはなんて素直で良い子なの」


私は母親のようにミリンの頭を撫でる。それにミリンは嫌がりもせず、むしろ喜んでいた。








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