魔法使いの一日
「あのスーパー、たまにあり得ない位の安さで売り出す時があるのよ。これを逃したら次はいつになる事やら…絶対に見逃せない一大イベントなのよ」


気合十分な私に対して、ソラはどこか冷めた視線を送ってくる。


「たまに思うけど、お前ってその歳に相当しない考え持ってるよな」

「やかましい。おでんの具も安売りしてるし、買ってくるんだからいいでしょ」

「頑張れよ、布団は任せとけ」


何この態度の変化…大体おでんの具が安いのは季節的な意味でだから。誰がこんな暑い中あっついおでんなんか食べる人がいるか。……って、ここにいるんだけどね。


とにかく布団はソラに任せて、私は家を出てスーパーへと向かった。












家を出てしばらくたった、商店街を歩いている時だった。


「っ、く……えぐっ…ふえぇ~…」


道の真ん中で、小学校低学年くらいの女の子が泣いているのを見つけた。





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