魔法使いの一日
オレンジの長い髪を高いところでツインテールにし、結び目をリボンで縛っている。目の色は泣いていて目を瞑っているので分からないが、それでも十分に可愛い子だなと思った。あ、別に怪しい意味じゃないからね。


その子は迷子なのだろうか? それは分からないが、さっきからずっと道の真ん中で泣き続けている。道行く人々は、女の子を見てみぬ無理をし、人によってはウザそうな顔をしている人もいた。


白状だな~と思いつつ、私は女の子に近づいていく。普通にほっとけるわけないでしょ。大体私の性分からして無理。


「どーしたの? 迷子?」


私は女の子の視線にあわせてしゃがみこみ、優しく声をかける。
と、女の子は目を押さえていた手を離し、大きな目をぱちくりと開閉し、私の顔をジッと見つめる。


女の子の目は綺麗なアイスブルーだった。綺麗な色…でも最近日本人らしい黒とか見ないなー、と不謹慎な事を考えていた。






.
< 93 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop