魔法使いの一日
「こんな簡単な魔法に引っかかるなんて…どーみても普通の人間ですけどー」


女の子が指をパチンと鳴らすと、女の子の傍に居た母親……もとい魔法で作られた幻影は空中に溶け込むように消えていった。


「王は何を考えてるんでしょうか…歳を取りすぎて耄碌になってしまったんですかね。これなら反逆者の二名を消せばいい話ですし~……でもあの人間…う~ん……」


あ、と女の子は両手をポンッと叩く。


「そっか、簡単な事なのですね♪」


女の子は鼻歌でも歌いそうな位上機嫌で歩き出し、人ごみの中へと消えていった。






< 98 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop